ご挨拶

(一社)全国青果卸売市場協会会長

 2024年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 まずは、令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔みを申し上げますとともに、被災されたすべての方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 皆様の安全と一刻も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
 昨年は諸事情により、全青協の事務所を東京秋葉原から熊本大同青果内に移転いたしました。 関係者の方々には大変お世話になりました、ありがとうございます。
 さて、我々市場業界は10年前からするとかなり変化してきたと思います。
 まず野菜果実の安値が減ってきました。 以前はキャベツや白菜を中心に頻繁に暴落していましたが、最近では手の付けられない安値はあまり見かけなくなってきました。
 果実も同様でミカンの安値も少なくなってきました。 気象の変化や円安の影響もあると思いますが、かえって高値で推移することが多くなってきています。
 そのような中でも我々市場業界は取扱高を伸ばすことができていません。
 場外流通に流れた売り上げを取り返せていません。 その原因は新しい取り組みや取引先の開拓ができないことにあります。
 私たちを取り巻く環境はドンドン変わっています。 その変化のスピードは速まるばかりの大競争時代です。
 他の業界を見ても商品やサービスのライフサイクルが短くなってきました。 業界の参入障壁が低くなり業界外からの新規参入者が市場を取ってしまうこともあります。 音楽業界が分かりやすいでしょう。 レコードからカセットテープ、 CD、ダウンロードのIチューン、そしてスマホのストリーミング音楽配信になってしまいました。
 全くの新参者が大きなマーケットを奪う時代です。 自分の業界だけ見ていると外部からの参入に気づかないで売り上げを取られます。
 ただ我々の業界は農産物という物があり物流を伴いますから、短期に大きなシェアを奪われる業界ではありません。 しかし、新しいことにチャレンジしていかなければ衰退していくことは間違いないでしょう。
 今チャレンジが出来ない原因は新入社員が採用できず人員不足になっていることです。人手不足に加え新人が入ってこないので活気がなくなり組織の活力もダウンしています。自分の代でこの会社も終わりだとやる気がなくなっているところもあります。
 このような状態から早く脱却して売り上げを伸ばしていきましょう。 職場と仕事の改革を進め粗利のない売り上げをやめ、長時間労働をなくし、新人が辞めない環境を作りましょう。 自分の子供を入社させたいと思う組織を作っていこうではありませんか!
 利益のないムダな売り上げを作るのではなく、生産者様や買い手様に喜ばれる実のある仕事に変えていくことです。
 2024年はいろいろな変化がありそうです。 このような年こそ我々も変わるチャンスです!
 お客様に喜ばれ、自分たちもやりがいを感じる。 そのような仕事と職場にして、これからも生鮮流通の核として成長していきましょう!


一般社団法人全国青果卸売市場協会
会長   月田 求仁敬